生花のように
まだまだ紅葉狩りで賑わう東福寺界隈ですが、今秋の願成寺の境内は、生花のように咲く石蕗(ツワブキ)がとても印象的でした。庭園の中であったとしても自然の妙とでも言いましょうか、誰がそうしたわけでもないのにこのような咲き方をすることに、そこはかとない不思議な感情を持たずにいられません。
ツワブキの花言葉は、『謙遜』『謙譲』などが多く紹介されていますが、『困難に負けない』といった花言葉もあり、この秋の京都の賑わいを見ても、ここ数年の困難から脱した人々の強さというものを凛々しく表しているようにさえ思えてきます。
紅葉で美しく染まる庭園の差し色としても鮮やかな石蕗ですが、「つわ」と読んで初冬の季語でもあるようです。そう言われてみると、一段と寒さが増してきたように感じる今日この頃、風邪などひいたりされませんよう、皆様どうぞご自愛いただきお過ごしください。