石蕗に魅せられて
願成寺の静かな本堂からふと目を向けると、障子の枠越しに襖絵のような日本庭園を見ることができます。四季折々の美しさが、刻々と変わりながら描かれていくのですが、この季節の石蕗(ツワブキ)の黄色と緑のコントラストは本当に鮮やかです。
静寂とも調和するかのような不思議な鮮やかさを眺めていると、希望のある安らぎ、身の回りへの感謝を、ただただ直情的に感じてしまう不思議なひとときになります。
そんな心穏やかになる中、寿光殿へと足を運ぶと扁額に刻まれた「寿光」の文字。故人への供養だけではなく、生きる者たちへの励ましの言葉のように感じて、深い敬意と感謝の念を抱かずにはいられません。